【2033年】ALS患者はバーチャル社会で活躍の場を広げる

1. 【解決したい課題】

原因不明の難病のない社会を実現する

 

2. 【そう思ったきっかけは?】

病気は総じて苦しいものだが、なかでも難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)の残酷さは想像を絶する。

病気が進行すると、手足の自由がなくなるだけでなく自発呼吸や食事もできなくなる。

しかし、五感や内臓機能は衰えない場合が多く、ただただアウトプットのできない状況下で生きることになる。

 

特に恐ろしいのは、コミュニケーションの問題だ。

植物状態と違い、意思ははっきりしているので、それを伝える手段が必要になる。

眼球などわずかに動く部分を使ってデジタル文字盤などで意思を伝えることができるが、症状が眼球運動にまで及ぶと完全にコミュニケーションの手段を失ってしまうかもしれない。

 

現在、その危機を感じているのはALS患者の藤田正裕氏だ。

身体は生き続け五感もあり思考も働くが、アウトプットの自由を完全に奪われる完全閉じ込め状態(Totally Locked-in State, TLS)になってしまうことは、残酷以外の何ものでもない。

この病気の解明・根治については、英知が結集して究明しているところだと思うので、私は少しでもALS患者の人生が向上するにはどうすればいいのか考えた。

 

3. 【何がそうさせているのか?】

ALSは、これまであまり研究がされてこなかった。

難病で高齢者に多い病気ということ、そしてサンプルが蓄積されていなかったことが原因として考えられる。

一方で、一口に身体障がいといっても個人差が大きいものであるため、社会のバリアフリー化や支援体制を完璧に行うのは簡単ではない。

 

障がい者施設へ研修に行ったことがあったが、みなそれぞれの方法で暮らしていた。

知的な精神障がいがひどくても、スタッフとの信頼関係でコミュニケーションがとれるようになった人もいれば、気ままに車いすで朝礼を抜け出す人も。

 

大事なのは障害に寛容な環境であり、健常者と同じ方法で生きなければならないという縛りは当事者を辛くさせるだけではないかと思ったりもした。

ただ、そのうえで「自分は何かの役に立っている」という自己肯定感も必要だと感じた。

 

ALSにおいても、医療や介護によって患者自身は生きていられる。

ただ、それだけでいいというのは周りの考えであって、患者自身がどう生きたいと思っているのかを無視してはいけないと思う。

 

4.【既存サービス、取り組みについて】

先述の藤田正裕氏や、SNSで話題となったアイス・バケツチャレンジの発案者である故・Pete Frates氏の患者自身の活躍、そして世界ALSデーの「GORON FOR ALS」などのイベントでALS患者の身になって考えようという取り組みがあった。

その成果か、ALSへの注目は以前よりも高まっているように感じる。

 

また、アイス・バケツチャレンジでは、世界で2億2000万ドルの寄付金を集め、ALSの研究に役立てられた。

(参考:https://fr.reuters.com/article/challange-idJPKCN1080DQ

 

一方、コミュニケーションの問題は、デジタル文字盤での意思疎通のほか、分身ロボットで運動を代替しようという試みがある。

(参考:https://orihime.orylab.com/

 

ALS患者の舩後靖彦参院議員議員が国会に参加する手段として提案したことも話題となった。

 

5. 【だからこうした方がいいんじゃないか?】

完全閉じ込め状態(TLS)になる場合、希望するALS患者はバーチャル空間に移行する。

前予想で「【2030年】人の脳はプログラム上で再現可能になる」というものがあるが、これに関して「パルストランスミッション」という人間の脳波をデータ化し電脳空間に送り込むシステムについての言及があった。

 

さらに、「【2026年】手足の障がいの機能改善・拡張をめざす医療が整備される」では、脳の指令を受け取ったサポート機器によって肢体を動かす技術も紹介した。

これらに先述の分身ロボットも含めた組み合わせで、シチュエーションに応じたコミュニケーション手段が確立できるのではないだろうか。

 

特に、働く意欲がある患者に対しては、バーチャル空間上で仕事を継続することができるかもしれない。

 

「【2050年】 依存者向けバーチャル社会ができる」という前予想でも書いたように、それぞれに適したレイヤーごとのバーチャル社会があってもいいのではないだろうか。

 

コミュニケーションだけでなく社会で働くことを重視するのは、完全介護を余儀なくされる患者の、尊厳の維持にもつながると考えているからだ。

何もかも世話されて情けないと思う必要はなく、バーチャル空間上で社会的地位を築いていける環境が整えば、TLSも全くの絶望ではなくなるのではないだろうか。

 

6. 【なぜそう考えるのか?】

当然ながら、難病の根治が一番の解決方法である。

しかし、これまでの難病でもそうだったように、治療法が確立するまでの時代を生きる人は壮絶だ。

 

私たちはこの問題から離れれば、自由に動ける当たり前の毎日を送れるが、ALS患者はこの瞬間も進行する病状のなか暮らしている。

(ALSは遅らせることはできても常に進行性だ)

 

それに、この技術はALS患者に限ったことではなく、事故や他の病気の進行などで植物状態に陥った人にも応用が利くかもしれない。

過去には、植物状態だと思われていたが患者にははっきりとした意識があり、長期間誰にも気づかれずTLS状態だったという事件もあった。

 

また、完全閉じ込め状態(TLS)以外でも、身体障がい、精神障がいのある人がよりよい生活をするためにも役立ちそうだ。

 

7. 【20XX年、未来はこうなる! 】

2033年、ALS患者はバーチャル社会で活躍の場を広げる

 

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