最終兵器と呼ばれた男 第一話

昔、最終兵器と呼ばれた逸材がいた。

Aは「生まれた時からサッカーが上手かった」と言われているが、

そんな彼が最終兵器と呼ばれるのには複雑な背景がある。

 

彼は三兄弟の末っ子で三兄弟全員サッカーをしている。

長男が初めてサッカーを始めた時、そのセンスの高さに度肝を抜かれた。

「これは間違いなく伸びるな……」一目でそう感じた。

 

そして次男、最高の逸材だと思った。

 

例えチームは負けても、彼のパスセンスはナンバーワンだった。

味方を使いながらエリアに侵入していく術を生まれながらに身に付けている。

「これは凄い選手になるぞ!」周囲も期待したまさに逸材だった。

 

しかし、そんなある時、次男が移籍をしたいと言い出した。

小学3年生の頃だったと思う。

 

「本人がそう言ったのか……?」周囲には衝撃が走った。

実際は違う、親の意向だった。

 

「うちの子ならばもっと上のレベルでやれるだろう」

悪く言えば、欲目が出たのかも知れない。

 

小学生にとって、親は絶対的な存在であり、嫌われたくない人間で言えば不動のナンバーワンだ。

何度直接聞いてみても、「親が移籍をしろと言ったから」と。

理由はそれだけだった。

 

移籍するクラブは全国でも知られる強豪だったが、移籍先が条件を突きつけた。

「移籍してもいいが、公式戦には一切出場させないぞ」と。

 

なぜこのような条件が出たのかについてここでは詳しい理由を話せないけど、、、

要は親戚のようなクラブだったので、禁断の移籍ということだった。

 

冷静に考える必要もないくらいこれはとんでもない条件だった。

プレゴールデンエイジに公式戦出場が出来ないとか笑えない冗談だ。

 

一番成長する時期を棒に振るとか考えられないだろう?

 

「合理的に考えて移籍は諦めるはず、冷静になるはずだ。どこかで目が覚めるはずだ」

そんなことを確信していた。

 

しかし、しばらくしてから簡素な連絡がやってきた。。。

 

つづく

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