
1. 【解決したい課題】
医師・看護師の負担がない社会を実現する
2. 【そう思ったきっかけは?】
現在、感染症に対応するため、指定の病院においてはあらゆる対策を求められている。
しかし、それによって医療スタッフは疲弊し、経営も圧迫されるといった事態も起こっている。
ある医療従事者の話によると、医療崩壊というのは徐々にではなく一気に起こるという。
たとえばスタッフが一人抜けただけでも、その代わりを務めるスタッフの負担が増え、連鎖的にブラックな労働へ陥っていく。
(参考:https://www.ajha.or.jp/voice/arikata/2011/01.html)
ただ、私個人の思いでもあるが、やむを得ず辞めていくスタッフを責めるようなことはしたくない。
なかには「医療を志したんだからこれくらいでくじけるな!」といって声を荒げる人もいるというから驚く。
自己犠牲は本人の許容範囲で行われるべきであって、他人から強要されるものではないはずだ。
この状況を改めないと、だれも幸せにならないのではないかと思った。
3. 【何がそうさせているのか?】
医療従事者は、夜勤など不安定なシフトで働く場合も少なくない。
そもそもハードな職業であるにもかかわらず、いろいろな患者と関わる場合はさらにストレスフルだ。
看護師の友人から聞いた話では、総合病院は総じて大変だったという。
私は平日の総合病院に行ったとき、受診までに4時間近くかかった。
こんなに待つとかえって健康状態が悪くなるのではと思ったが、同じように感じたことのある人は少なくないだろう。
誰かを悪く言うのは好きではないが、そのとき目についたのが待合室の大半を占めるシニアだった。
見た目には分からない重篤な疾患を抱えているのかもしれない。
しかし4時間以上背もたれもない椅子で待てるなら健康の範囲なのでは?と思えた。
シニア層が医療を圧迫しているという議論は昔から行われており、健康寿命を延ばすなど対策もさまざま行われてきたが、頼る先が病院しかいないという構造を変えなければ根本的に解決しないだろう。
リタイアした人のように時間に余裕のある人がいる一方で、若い人のなかには時間がかかって仕事に支障が出るからと受診を諦め、病気の早期発見が遅れることもあるという。
現在の感染症流行下で、安易な受診は減ったというが、それはそれで病院の経営に関わる。
どのようにすれば、医療従事者にとって働きやすくなり、かつ必要な患者に医療が届く好循環が生まれるだろうか。
4.【既存サービス、取り組みについて】
医療現場の問題解決のひとつとして、「セルフメディケーション」という考え方がある。
患者自身で身体をケアする習慣をつけ、なるべく病院にかからないようにするというものだ。
薬局やドラッグストアの薬剤師が積極的に病状の相談に応じることで、かかりつけ医の代わりとして機能するのだ。
すでに厚生省ではセルフメディケーションを行った個人に対して医療費控除を行っており、今後も推奨の流れは継続することが予想される。
(参考:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000124853.html)
「未病」という考え方があるが(参考:https://www.j-mibyou.or.jp/mibyotowa.html)、これを病気になる前にケアしようという取り組みは、病院だけで完結するケアだけではなく、地域で包括的にケアしようという方針のようだ。
分かりやすい話が、地区で行うラジオ体操だろうか。
5. 【だからこうした方がいいんじゃないか?】
病院勤務以外の医療従事者の権限が拡大され、地方に配置される。
例えば、医療費が高い国では軽い病気を薬剤師がケアするように、ドラッグストアの薬剤師でも病状を診断し、医師の指示なく医薬品を処方できるようにする。
ただし安易に権限を拡大すると危険なので、問診から処方まで全てデジタル記録がつくようにし、定期的に問題がないか医師が確認する。
また、昔は地域住民を診る医師が、定期的に訪問医療をしていた。
現在、東京など勤務条件のいい病院へ医師や看護師が流出していることが問題となっているが、今後の地方分散の流れのなかで地方の勤務条件が良くなれば、もっと医療従事者は地域へ根ざしていけるのではないだろうか。
そこで活用するべきは、やはりIT技術だ。
地域に一人しか医師がいなくても、オンライン医療なら地域全体の医療が可能になるかもしれない。
また、遠方にいる専門医師やベテラン医師の助言や診断も受けやすくなるだろう。
現在のオンライン手術は、手術をする医師にリアルタイムで指導するのが基本だが、今後環境が整えば、現場にいない医師がロボットアームを通して手術を行うことが普通になるかもしれない。
(参考:https://www.mhlw.go.jp/content/10803000/000495289.pdf)
医療従事者は病院という職場に縛られることなく、より個人の人生に合わせてストレスなく働けるようになってほしい。
6. 【なぜそう考えるのか?】
私が以前タイへ行ったとき、楽しいながらも疲れとストレスでウイルス性の発疹にやられた。
そこで現地に暮らす日本人のすすめで街中の薬局に行ったら、日本人の薬剤師がフレンドリーに相談に乗ってくれて薬を処方してもらった。
日本でもドラッグストアなどで薬剤師からアドバイスを受けて薬を購入することはあるが、なんせ海外は薬効成分の処方量が違う。
タイで購入した薬は、びっくりするほどよく効いた。
実は、強い薬は怖いという私の不安を薬剤師に聞いてもらい、強い薬と弱い薬の2種類購入していたが、軽い方の薬でも充分な効果だった。
日本では、身体に不調を感じたら「まずお医者さま」という考えがあり、決して間違えではない。
ただし、少子高齢化で患者が増え、医療の体制が一時的においつかない事態となっている。
むやみに医師を増やしたところで、患者が少なくなれば弁護士のように職にあぶれてしまったり、一部で質の低下が起こったりしてしまいかねない。
やはり、医療の資源を節約しつつ、適切に使う方が持続的な解決方法だろう。
7. 【20XX年、未来はこうなる! 】
2030年、医療従事者は病院から地域へ
気付き
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